教育、学び、そして学校 〜 111

公開: 2024年6月1日

更新: 2024年6月1日

注 111. 外交政策と教育問題

新しい国家像に直接関係する外交政策の例に、移民政策、留学生政策、外国人子女教育政策などがあります。移民政策は、国内産業の振興に必要な外国人人材に移住を許可するための永住許可、就業許可、などが直接関係します。さらに、その人材だけでなく、その家族の永住許可や就業許可も問題になるでしょう。さらに、子供たちには学校教育の支援や、言語習得支援なども必要になります。人口減少が継続する社会で、それを補える人材を獲得するためには、組織的な支援が必要になります。

特に、義務教育への就学が必要な学齢の子供がいる家族の場合、公立学校へ、外国生まれの学齢期の生徒を受入れ、日本生まれの生徒と一緒に教育を行う必要が出ます。小学校教育の場合、現在のように一人の教員が、教室内の全ての生徒を対象に授業を行うやり方が採用されています。その体制のまま、外国生まれの生徒を受け入れることは、難しいでしょう。

日本社会が、外国の中等・高等教育機関で教育を受けた人材を、数多く受け入れるためには、留学生の受入れを拡大し、日本の大学等で専門教育を行うことも重要になります。そのためには、編入学の時期を、4月から10月に変更することも必要になるでしょう。世界的には、10月編入学の方が一般的だからです。また、大学における英語での講義や、英語での試験、教科書・参考書の英語化なども重要になります。

その場合には、日本生まれ、日本育ちの一般学生が、英語での講義を聴き、理解することが必要になります。このことは、それらの、従来型の日本語による講義に慣れている学生には、大きな負担になり、単位の修得も、現在よりも難しくなるでしょう。日本社会が、そこまでの不利益を受け入れられるかが問題になります。

参考になる資料